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おぺんぺんのブログ

飛べない鳥はただのおぺんぺんだ!

★31 夏とポケモンと、そこはかとなくエモい空気感

 

 

オニスズメは、あの人に似ている。

 何匹目かのオニスズメをゲットした時に、はっとした。そうだ、あの人に似ているんだ。

 

 

ミーハーなので流行りのものにはひとまず飛びつくようにできている。ポケモンGOも日本での配信初日にiPhoneに落とした。幼稚園に通っていた頃、夢中で覚えた数多のポケモンたち。ゲームは買い与えない方針の我が家だったけれど、アニメは楽しく見ていた記憶がある。名前を羅列した歌は今でも歌える自信がある。ポリゴンは平気だった。数がどんどん増えてだんだん可愛くなくなっていくに連れてなのか、大人になるに連れてなのか自然と疎遠になってしまった彼らと、まさか20年も経ってから再会するとは。

 

 

ポケモンの魅力は無論キャラクターである。なかでも初期の151匹は私が言うまでもなくシンプルでキャッチーで斬新だった。そしてどいつもこいつも愛らしい顔をしている。キャラクターとは擬人化でありデフォルメであるから、当然のことなのだけれど、「こんな人いるいる!」と思わせるなんとも人間臭い顔で彼らは私を見つめてくる。

 

 

オニスズメは私にいろいろなことを教えてくれた人だ。例えば頭の使い方やそれをいかに言葉にしてみせるかといった、ほとんど基礎的なスキルを私はその人から教わった気がしている。もちろん、私にそもそもそれらが備わっていなかったはずはないのだけれど。オニスズメのそれらは洗練されていて刺激的だった。当時の私は奇抜を気取った平凡な小娘でそれでいて女らしいスキルは何一つ持ち合わせていなかったから、魅力とはほとほと縁遠く、吸収すべき事項ばかりが世界のそこらじゅうに転がっていた。

 

 

オニスズメは楽しいこともたくさん教えてくれた。それは夜の埋立地だったり、カラオケだったり、時には車の中だったりした。オニスズメは私のことを可哀想だと言ったけれど、それは純粋な同情ではなくて、同時に面白がられていることを私は知っていた。だから一緒にいてくれるのだということも。

 

 

街中に無数に現れるオニスズメ。その出現のたびになんとなく切ないような懐かしいような気持ちになる。顔面はまったく可愛くないのだけれど、なぜだか気になって仕方がないのはどことなくあの人に似ているからなのかもしれない。たぶんこういう気持ちを最近の若者は「エモい」って言うんだろうな〜なんて思う、間も無く終わる24歳の夏。進化型のオニドリルをゲットしたからもうオニスズメを見つけても捕まえることはなくて、私は知らんふりをして横を通り過ぎる。もう交わることのない人生、私とあの人と同じように。エモい。エモすぎるよ夏。